購買心理の8段階とは?すぐに実践できるビジネスシーン別の活用例も紹介!

顧客の購買行動の背景には、「注目」から「満足」に至るまでの8段階の心の動きが存在します。本記事では、この「購買心理の8段階」について、ビジネスシーンの活用例も交えながらわかりやすく解説します。
顧客の心理に寄り添ったアプローチで、自社の商品やサービスの魅力を最大限に伝えていきましょう。
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目次
購買心理の8段階とは、顧客が商品を知ってからファンになるまでの心理状態

皆さんは商品やサービスを購入するとき、どのような心理状態を経て購入に至るか考えたことはありますか?実は、人が商品を知りファンになるまでには、8つの心理的な段階があるといわれています。これが「購買心理の8段階」です。
ここでは、そもそも購買心理の8段階とは何か、そして類似する7段階モデルとの違いについてわかりやすく解説します。
そもそも購買心理の8段階とは
「購買心理の8段階」とは、人が商品やサービスを認知してから購入し、さらにファンになるまでの心理状態を表したものです。具体的には、「注目」「興味」「連想」「欲望」「比較」「信頼」「行動」「満足」の8つの段階で構成されています。
例えば「注目」の段階では、まず商品の存在を知ってもらうことが最優先です。そのため、広告やSNSなどを通じて、ターゲット層の目に触れる機会を増やしていかなければなりません。また「連想」の段階では、顧客に商品の利用シーンをイメージさせ「自分も使ってみたい」と思ってもらうことで購買意欲を高めていきます。
顧客がどのような心の流れで購入に至るのか、その心理状態を理解することで、各段階に適したマーケティング施策を打てるのです。
購買心理の7段階は2つある?その違いとは
購買心理の8段階とよく似たフレームワークが「購買心理の7段階」です。この購買心理の7段階には、主に次の2つのパターンがあります。
- 「認知」から「愛着」までの7段階
- 「注目」から「行動」までの7段階
1つ目は、「認知」「興味」「行動」「比較」「購買」「利用」「愛着」の7段階で構成されるフレームワークです。このフレームワークは、顧客が商品を知り、購買するまでの流れを重視し、最終的な愛着やロイヤルティに焦点をあてています。
こちらのフレームワークについては、下記の記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

今すぐ実践!購買心理の7段階で顧客の心をつかみ、売上を最大化する方法
購買心理の7段階「認知」から「愛着」までの各段階で、顧客の心をつかむマーケティング施策と活用ポイントを紹介します。購買心理の7段階を体系的に理解し、実践的なマーケティング施策に活用しましょう。
2つ目は、「注目」「興味」「連想」「欲望」「比較」「信頼」「行動」の7段階で構成されるフレームワークです。このフレームワークでは、情報の注意喚起や信頼感の形成を重視しており、最終的には「満足」の8段階目へとつながっていきます。
どちらのフレームワークも、顧客の購買行動を理解するための有用なツールであり、どちらが正解というわけではありません。大切なのは、マーケティングの目的や対象とする市場によって、これらのフレームワークを適切に使い分けることです。
なお、今回の記事では、2つ目の「注目」から始まる8段階フレームワークについて詳しく紹介していきます。
購買心理の8段階を詳しく解説

購買心理の各段階において、顧客はどのような心理状態にあるのか、そしてその心理状態に合わせてどのようなアプローチをすれば良いのか。ここからは、それぞれの段階を詳しく見ていきましょう。
段階 | 心の動き | 顧客の心理状態 | マーケティング施策の例 |
---|---|---|---|
1 | 注目 | 「何か気になる」 | テレビCMやWeb広告、SNS、キャッチコピーなど |
2 | 興味 | 「もっと知りたい」 | ブログ記事やLP、メルマガなど |
3 | 連想 | 「自分に関係があるかも」 | 使用シーンを伝える動画やイメージ広告など |
4 | 欲望 | 「欲しいかも」 | 限定特典やキャンペーン、インフルエンサー起用など |
5 | 比較 | 「他と比べてどうだろう」 | 競合商品との比較表や価格プランの提示など |
6 | 信頼 | 「信頼できるかな」 | ユーザーレビューや口コミ、返品保証の提示など |
7 | 行動 | 「買ってみよう」 | 簡単な購入フローや割引クーポンなど |
8 | 満足 | 「買ってよかった!」 | お礼メールやアンケート、ロイヤリティプログラムなど |
1段階目「注目」
最初のステップは「注目」です。商品やサービスの存在をターゲット層に知ってもらう段階を指します。たとえ素晴らしい商品やサービスであっても、その存在を知ってもらえなければ購入につながることはありません。
まずは顧客の目に留まり、「なにか気になる」と注意を引くことが次のステップに進むための第一条件です。
主なマーケティング施策の例
- テレビCM、Web広告、SNS
- キャッチコピーなど
具体的には、テレビCMやWeb広告、SNSなど、さまざまな媒体を使って商品やサービスの認知度を高めることが効果的です。多くの人の目に触れるような施策を積極的に行い、次の「興味」へとつなげましょう。
2段階目「興味」
顧客に商品やサービスの存在を知ってもらえたら、次は「興味」の段階へ進みます。ここでは、ターゲット層に「おもしろそう」「もっと知りたい」などと思ってもらうための仕掛けづくりが重要です。
人は興味を持ったものに対して、積極的に情報を得ようとします。つまり、顧客が「興味」を持つことで、自ら商品やサービスについて調べてくれる可能性が高まるのです。
主なマーケティング施策の例
- ブログ記事やLP、メルマガ
- クイズや診断コンテンツなど
具体的な方法としては、ターゲット層のニーズや悩みに寄り添ったメッセージを発信するのが有効です。顧客が「もっと知りたい」と感じるような情報を提供し、次の「連想」のステップへ進みましょう。
3段階目「連想」
顧客が商品やサービスに興味を持ち始めたら、「連想」の段階へ進みます。ここでは、顧客に「自分も使ってみたい」「自分に関係があるかも」と、自分ごととしてとらえてもらうための工夫が必要です。
人は自分に関係があると感じたものに対して、より強い関心を抱きます。顧客に商品やサービスを利用するシーンを具体的にイメージしてもらい、購買意欲をさらに高めていきましょう。
主なマーケティング施策の例
- 使用シーンを伝える動画
- イメージ広告など
スマートフォン販売の例でいえば、美しい景色を撮影しているシーンや、友人とビデオ通話を楽しんでいるシーンなどを連想させることが効果的です。顧客の生活がどのように豊かになるのかを具体的にイメージさせ、次の「欲望」のステップへとつなげます。
4段階目「欲望」
商品やサービスを自分ごと化してもらえたら、次は「欲望」です。人は魅力的に感じた商品やサービスであっても、「欲しい!」という強い気持ちがなければ実際の購入には至りません。
この段階では顧客の感情に訴えかけ、購買意欲を刺激することが重要です。
主なマーケティング施策の例
- 限定特典やキャンペーン、数量限定販売
- インフルエンサー起用など
顧客の感情に訴えかけるような、ストーリー性のあるコンテンツ発信は有効な施策のひとつです。また、期間限定セールや数量限定販売など、希少性を演出することで顧客の購買意欲を高められます。顧客の心を動かし、次の「比較」のステップにつなげましょう。
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5段階目「比較」
次のステップは「比較」です。商品やサービスを「欲しい!」と思ってもらえたとしても、残念ながらすぐに購入に至るとは限りません。多くの場合、顧客は「他と比べてどうだろう」と同様の他社商品やサービスと比較検討し、より良い選択を模索します。
この段階で自社商品が優れていることを示せなければ、顧客に選んでもらいづらいのです。
主なマーケティング施策の例
- 競合商品との比較表
- 価格プラン、データ、評価の提示など
競合商品との比較表を作成し、自社商品の強みをわかりやすく伝えましょう。例えば、商品の性能や価格など、顧客が重視するポイントで自社商品の優位性を明確に示す必要があります。顧客に「これがベストな選択だ」と納得してもらえれば、次は「信頼」のステップです。
6段階目「信頼」
自社商品の優位性をアピールしたら、次は「信頼」の段階です。ここでは、顧客に「この企業(商品)は信頼できそうだな」と感じてもらわなければなりません。特に、高額な商品や個人情報に関わるサービスなどの場合、信頼性が非常に重視されます。
人は信頼できない企業や商品からは、購入をためらいます。一方で、顧客に安心感を持ってもらうことで、購入へのハードルを下げられるのです。
主なマーケティング施策の例
- ユーザーレビューや口コミ
- 返品保証の提示など
ユーザーの声や評価を積極的に公開すると、信頼感を高められます。また、専門家や著名人からの推薦コメントの掲載も有効な施策のひとつです。他にも、セキュリティ対策や個人情報保護方針の明示も信頼感を高める効果があります。
顧客が安心して購入できる環境を整えたら、次の「行動」へと進みます。
7段階目「行動」
次のステップは「行動」、つまり購入です。せっかく顧客が購入の意思を固めても、購入までの導線がわかりにくかったり、手続きが面倒だったりすると、途中で離脱してしまうおそれがあります。
顧客の「買ってみよう」という気持ちが熱いうちに、スムーズに購入まで進んでもらうことが大切です。
主なマーケティング施策の例
- 購入ボタンの設置、簡単な購入フロー
- 割引クーポン、返品保証など
例えば、商品ページや料金表ページなど、顧客の購入意欲が高まっているページにわかりやすく大きな購入ボタンを設置しましょう。また、送料無料や返品保証、期間限定割引など、購入へのハードルを下げるオファーを用意することも有効です。
顧客の背中を優しく押してあげるような施策を実施し、次の「満足」へとつなげましょう。
8段階目「満足」
購買心理の8段階の最後のステップは「満足」です。「商品やサービスを購入して終わり」ではなく、顧客に満足してもらい、リピート購入や良い口コミの拡散につなげていきましょう。
満足した顧客は、友人や知人に商品・サービスを勧めてくれることも期待できます。リピーターや新たな顧客を効率的に獲得していくには、顧客満足度を高めることが不可欠なのです。
主なマーケティング施策の例
- お礼メールやアンケート
- ロイヤリティプログラムなど
具体的な方法としては、購入後のフォローメールやお礼状が効果的です。「ご購入いただきありがとうございました。今後も快適にご利用いただけるよう、サポートいたします」などと感謝の気持ちを伝えることで、顧客に良い印象を与えられます。
なお、アンケートの回収から謝礼までをWebで自動化したいと考えている方には、「ウォレッチョ」がおすすめです。
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購買心理8段階を実践!ビジネスシーンの活用例を紹介

ひと口にビジネスといっても、BtoB、ECサイト、実店舗など業態はさまざまです。当然、それぞれの業態によって顧客との接点や購買プロセスは異なります。
ここでは、次の3つのビジネスシーンにおける購買心理8段階の活用例を詳しく見ていきましょう。
自社のビジネスに当てはめながらチェックしてみてください。
BtoBビジネスの場合
BtoBビジネスでは、見込み顧客との関係性の構築が重要です。そもそもBtoBビジネスとは、企業が企業に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルです。意思決定に複数人が関与することが多く、購入までの検討期間が長くなる傾向があります。
例えば「注目」の段階では、展示会やセミナーへの出展・開催など、見込み顧客と接点を持つことから始めます。また「興味」の段階では、サービス紹介資料やホワイトペーパーなどを提供し、サービスのメリットや導入効果を伝えましょう。
BtoBビジネスの購買心理8段階の活用例
1.注目 |
|
---|---|
2.興味 |
|
3.連想 |
|
4.欲望 |
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5.比較 |
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6.信頼 |
|
7.行動 |
|
8.満足 |
|
ECサイトの場合
ECサイトでは、サイトのコンテンツや販売導線を工夫していきましょう。インターネット上で商品を販売するECサイトは実店舗とは異なり、顧客と対面で接することができません。そのため、サイトのデザインやコンテンツ、販売導線などの工夫が重要です。
例えば「興味」の段階では、商品の特徴やメリットをわかりやすく説明します。口コミやレビューを掲載するのも効果的です。また「連想」の段階では、商品の使用シーンをイメージできるような画像や動画を掲載し、ユーザーに自分ごと化してもらいましょう。
ECサイトの購買心理8段階の活用例
1.注目 |
|
---|---|
2.興味 |
|
3.連想 |
|
4.欲望 |
|
5.比較 |
|
6.信頼 |
|
7.行動 |
|
8.満足 |
|
実店舗の場合
実店舗では、接客や店舗の環境に注目していきます。そもそも実店舗とは、顧客が実際に足を運んで商品を購入したり、サービスを受けたりする店舗のことです。ECサイトとは異なり、顧客と対面でコミュニケーションを取れるのが大きな強みです。
例えば「注目」の段階では、看板や店頭ポップでお店の存在に気付かせます。外から店内が見えるようにして、入りやすい雰囲気をつくることも効果的です。「興味」の段階では、商品の陳列方法を工夫し、魅力的に見せる演出をしましょう。
実店舗の購買心理8段階の活用例
1.注目 |
|
---|---|
2.興味 |
|
3.連想 |
|
4.欲望 |
|
5.比較 |
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6.信頼 |
|
7.行動 |
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8.満足 |
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なお下記の記事では、消費者の購買意欲を掻き立てる9つの心理的アプローチを解説しています。購買意欲を掻き立てるキャッチコピーの作り方も紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

消費者心理から読み解く!購買意欲を掻き立てる9つの心理的アプローチを解説
マーケターや事業者向けに、購買意欲を掻き立てる心理的アプローチを9つ紹介します。効果的な戦略立案に役立つ情報が満載です。売上アップのヒントを得て、すぐに実践しましょう。
購買心理の8段階を理解して顧客に寄り添った施策を実践しよう

購買心理の8段階はあらゆるビジネスに応用できる、非常に汎用性の高いフレームワークです。大切なのは顧客の心理状態を理解し、適切なタイミングで情報を提供することです。その結果、スムーズな購入へとつながり、購入後の満足度向上も期待できます。
本記事で紹介した活用例を参考にして、ぜひ自社のビジネスに購買心理の8段階を取り入れてみてください。
また下記の記事では、購買心理の基礎知識から顧客層別(潜在層、準顕在層、顕在層)の応用施策までを網羅的に紹介しています。売上アップやブランド価値の向上につなげたい方は、あわせてチェックしてみてください。

購買心理とは?基礎知識から売上を伸ばすアプローチ方法まで完全ガイド
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