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継続率とは?計算方法や向上させるための6つの対策など総まとめ

継続率とは?計算方法や向上させるための6つの対策など総まとめ

経営の安定をめざす企業にとって、「継続率」は重要な指標の一つです。本記事では、継続率が企業にとって大切な理由や計算方法をお伝えしたうえで、継続率が下がる原因や向上させるための対策を紹介します。自社で実施できそうな対策を見つけて、ぜひ取り組んでみてください。

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目次

継続率とは?基本知識を徹底解説

継続率とは?基本知識を徹底解説

継続率とは、商品の購入やサービスを利用した顧客の中で、その後も継続して購入・利用する顧客の割合です。本章では、継続率で知っておくべき基本的な内容を解説します。

継続率が企業にとって大切な理由

継続率が企業にとって大切な理由として、次のようなものが挙げられます。

  • 安定した収益を確保できる
  • 顧客獲得コストを抑えられる
  • ブランド価値を向上させられる
  • 予測可能な成長計画を立てやすくなる
  • アップセルやクロスセルの機会が増える

例えば、サブスクリプションサービス(音楽ストリーミングや動画配信など)では、顧客が長期間サービスを利用し続けてくれることで、毎月安定した収益が得られます。さらに、解約が少ないと収入の波が減るため、売上の予測がしやすいです。

ほかにも、長期間にわたって関係性を築けている顧客に対しては、よりグレードの高い商品(アップセル)や関連商品(クロスセル)を提案する機会が増えるため、売上の拡大が見込めます。

このように、継続率は顧客の信頼を示すだけではなく、収益の安定や成長に欠かせない重要な指標です。

継続率の計算方法

継続率の計算式は、次のとおりです。

継続率(%)=(再購入または継続利用した顧客数÷新規顧客数)×100

この計算式を使った実例を見てみましょう。あるサービスの新規顧客数が2024年10月1日時点で1,000人いるとします。そのうち600人が1ヵ月後も継続して利用していた場合、継続率は次のように計算されます。

継続率 =(600÷1,000)×100=60%

継続率を定期的に計算することで、導入した施策が顧客維持に効果的かどうかを確認できます。施策の結果を測定し、その効果が期待通りであれば維持、効果がなければ自社にあった対策を講じるようにしましょう。詳しい対策は、後ほど「継続率を向上させるための6つの対策」で紹介します。

継続率が特に重要な業界

続いて、継続率が特に重要な業界を紹介します。

継続率が重要な業界の例

  • 銀行やクレジットカード会社、保険会社
  • サブスクリプション型ビジネス
  • 消耗品や定期購入型のビジネス
  • アプリサービスやデジタルコンテンツ
  • 定期購読型の通信教育サービス

銀行や保険などの業界では、顧客が口座を維持したり契約を更新したりすることで手数料収入や保険料収入が定期的に得られるため、継続利用により収益の確保につながります。既存顧客の契約期間が長ければ長いほど、利益が高まる仕組みです。

ほかにも、サブスクリプション型ビジネスなどでは継続して利用するユーザーが多いほど一人の顧客から得られる総収益が増加します。

このような理由から、上記したような業界では特に継続率が重要といえます。

【目安】業界別の継続率

継続率の目安は業界によってさまざまです。業界によっては「継続率が50%でも、改善が必要」というケースもあります。下表に、業界別の継続率の目安をまとめました。

業界(ジャンル) 継続率の目安
小売業界全体 30~40%
アパレル(総合通販) 35%
食品・飲料(総合販売) 40%
インテリア(総合通販) 40%
家電(総合通販) 25%
化粧品(単品リピート通販) 50%
健康食品(単品リピート通販) 50%
旅行 45%

引用:AnyMind

家電など長期的に使える製品の場合、再購入のサイクルが長く、継続率も低くなりがちです。これらの製品では、顧客が次に購入するまでに数年がかかることもあり、顧客との接点が少なくなりがちです。そのため、継続率が下がる傾向にあります。

一方、「インターネットや通信サービス」「年間契約のB2Bサービス」「金融サービス」などは契約の手続きの難度が高く、顧客は長期的に契約を続けることが多いため、継続率が高くなります。インターネットや通信サービスなど、現代生活で必須の基盤は特に継続利用されやすいです。

なお、継続率は「リテンションレート(顧客維持率)」や「リピート率」と呼ばれることもあります。顧客維持率(リテンションレート)を測定する目的や計算方法、向上させるコツを下記の記事で詳しく紹介していますので、気になる方はあわせてご覧ください。

継続率のために知っておきたい6つのKPI(指標)

継続率のために知っておきたい6つのKPI(指標)

継続率を向上させるためには、顧客との関係性やサービスの使用状況を適切に測定することが欠かせません。そのために活用される6つの主要なKPI(指標)を紹介します。

KPI(指標) 特徴
1.解約率

一定期間において、契約者やサービスの利用者がその契約やサービスの利用を解約(退会)する割合を示す指標。

解約率=解約した顧客数÷期間内の総顧客数×100

2.オンボーディング完了率

ユーザーがサービスや商品を利用し始めてから、その使用方法を十分に理解し、使いこなせるようになった(オンボーディング)割合を示す指標。

オンボーディング完了率=オンボーディングを完了した顧客数÷オンボーディング期間の全顧客数×100

3.アップセル率

顧客が購入を検討している製品やサービスより価格やグレードが高いものを提案し、購入してもらうことをアップセルという。アップセルに成功した顧客数の割合がアップセル率。

アップセル率=アップセルに成功した顧客数÷全体の顧客数

4.クロスセル率

顧客が購入を検討している製品やサービスに関連する他の商品を提案し、追加購入してもらうことをクロスセルという。クロスセルに成功した顧客数の割合がクロスセル率。

クロスセル率=クロスセルに成功した顧客数÷全体の顧客数

5.LTV(顧客生涯価値)

顧客が取引開始から終了までの間に、その企業にもたらす総利益のこと。

LTV=平均顧客単価×購買頻度×継続期間

6.NPS(ネット・プロモーター・スコア)

顧客がどの程度自社の商品やサービスを周囲に勧めたいかという顧客ロイヤリティを測定する指標。消費者に「商品やサービスを他社にどの程度おすすめしますか」というアンケートを行い、数字を算出する。

継続率が下がる3つの原因

継続率が下がる3つの原因

継続率が下がる原因はさまざまですが、ここでは代表的な3つの原因を紹介します。

  1. 商品やサービスの品質に問題がある
  2. フォロー体制やサポートに不備がある
  3. 顧客がサービスや商品を忘れてしまっている

それぞれ詳しく見ていきましょう。

原因1商品やサービスの品質に問題がある

継続率が下がる大きな要因の一つは、商品やサービスの品質が顧客の期待に応えられていないことです。例えば、サービスにバグや技術的な問題が多かったり、使い勝手が悪かったりすると、顧客はその不便さに耐えきれず他の選択肢を検討し始める傾向にあります。

特に他社との競争が激しい市場では、わずかな品質の問題でも顧客が他社に移るリスクが高まるため注意が必要です。

原因2フォロー体制やサポートに不備がある

顧客のサービス利用中に問題が発生した際、迅速で適切なサポートが提供されなければ顧客満足度が大きく低下し、離脱の原因となります。

例えば、問い合わせへの対応が遅い、対応が機械的で人間味がない、問題の解決策がわかりにくいなどです。特にカスタマーサポートは、顧客体験全体において非常に重要な部分を占めているため、フォロー体制の整備が不可欠です。

原因3顧客がサービスや商品を忘れてしまっている

サービスや商品の購入頻度が低く、利用が定期的でない場合、顧客はそのサービスを使うメリットを忘れてしまうことがよくあります。

例えば有料のアプリを一度ダウンロードしたものの、しばらく使わない期間が続くと、その存在や必要性などを忘れてしまうことがあります。定期的に利用を促す通知やメッセージがない場合、更新のタイミングでアプリをアンインストールされることがよくあるので注意が必要です。

ほかにも、必要になったタイミングで商品の存在自体を忘れられてしまうと「いま必要だから」「流行に乗りたい」などの理由で顧客が競合製品を試してしまう可能性があります。この場合も継続利用につながらないため、改善が必要です。

継続率を向上させるための6つの対策

継続率を向上させるための6つの対策

最後に、継続率を向上させるための対策を紹介します。自社の問題を解決するにはどの方法がベストなのかを考え、対策にお役立てください。

方法 概要
解約防止のキャンペーンを実施 解約手続きの直前に、特典や割引を示唆するキャンペーンを実施する。
カスタマーサービスの強化 24時間対応のチャットサポートの導入やFAQ(よくある質問)の充実をはかる。
コンタクトを取れる仕組み作り 顧客との関係を深めるためにメールマガジンやプッシュ通知を活用し、定期的にコンタクトを取る機会を増やす。
顧客オンボーディングの強化 新規顧客に対して、サービスの利用方法やメリットをわかりやすく説明し、スムーズな導入をサポートする。
ロイヤリティプログラムの導入 ポイント制度や会員ランク制度を導入し、顧客に継続利用のインセンティブを提供する。
解約理由の分析と対策 解約時の理由をアンケートで集め、分析結果をもとに改善をはかる。
クロスセル・アップセルの活用 顧客のニーズに合わせて追加の製品や上位のサービスを提案することで、顧客満足度を高めつつ継続利用を促進する。
パーソナライズされた提案 顧客の購買履歴や行動データに基づき、個々のニーズに合わせた製品やサービスの提案を行う。
顧客フィードバックの活用 定期的に顧客からのフィードバックを収集し、サービス改善に反映させる。
顧客教育の強化 操作説明動画やウェビナーなどを活用し、顧客に利用方法やメリットをしっかり伝えサービスに対する理解を深めてもらう。

上記の中でも、継続率の向上に効果的な6つの対策を見ていきましょう。

  1. 解約防止のキャンペーンを実施する
  2. カスタマーサービスを強化する
  3. 利用者とコンタクトを取れる仕組みを作る
  4. ロイヤリティプログラムの導入
  5. 解約理由の分析と対策をする
  6. クロスセルやアップセルを活用する

対策1解約防止のキャンペーンを実施する

解約手続きの直前に特典や割引を示唆するキャンペーンを実施することで、解約を考え直してもらえば、継続率の向上につながります。効果的なキャンペーンの例を、下表にまとめました。

キャンペーン例 概要
定期購入割引キャンペーン 定期的に商品やサービスを利用してもらうために、割引を提供するキャンペーン。特にサブスクリプション型ビジネスや、リピート率の高い商品で高い効果を得られる。
キャッシュバックキャンペーン 消費者が商品やサービスを購入した後、その購入金額の一部を現金や電子マネーなどで還元するキャンペーン。お得感を提供することで、解約を防ぎやすくなる。
アンケート謝礼キャンペーン 顧客にアンケートを通じてフィードバックをもらい、その謝礼として特典を提供することで、顧客の満足度向上と継続利用を図る。

具体例として、使い道の自由度が高い現金でのキャッシュバックキャンペーンの実施が効果的です。解約しようとする顧客に対して、キャンペーンを実施することで「もう少し使ってみよう」と感じてもらいやすくなります。

このようなキャンペーンにおすすめなのが、株式会社スコープが提供するBtoC送金サービス「ウォレッチョ」です。キャンペーンは顧客に「手間」だと思わせないことが大事であり、シンプルな操作でキャッシュバックを受け取れるものが喜ばれます。ウォレッチョの場合、エンドユーザーは通知されたURLをクリックするだけで受け取り操作が完了するため、簡単にキャッシュバックを受け取れると好評です。

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さらに「ウォレッチョ」は、販売促進の企画から実行まで支援できるサービスです。キャンペーン施策後のアンケート調査・応募者のデータ分析などもできます。

「ウォレッチョ」を活用すると、効率的かつ法令に遵守したキャッシュバックキャンペーンの実現に効果的です。詳しくは下記のボタンから、サービス資料を無料でダウンロードしてご確認ください。

対策2カスタマーサービスを強化する

顧客が抱える疑問や不満を迅速に解消するために、カスタマーサポートを充実させましょう。特に初回利用時のサポートがしっかりしていると、顧客はスムーズにサービスを利用でき、満足度が上がります。

具体的には、チャットサポートやFAQの拡充、解説動画の提供などが効果的です。これにより顧客が安心してサービスを活用できる環境が整い、継続率の向上に大きく貢献します。

対策3利用者とコンタクトが取れる仕組みを作る

顧客と定期的に接触することで、サービスへの関心を維持しやすくなります。メールマガジンやリマインダー、アンケートを定期的に配信し、顧客がサービスを「忘れない」ようにすることがポイントです。

対策4ロイヤリティプログラムを導入する

ロイヤリティプログラムを導入し、顧客に特典やポイントを提供することで、長期的な利用を促進します。例えば、利用頻度に応じてポイントを付与したり、ランクアップ特典を設けたりすることが効果的です。

こうしたプログラムにより、顧客は継続利用を通じて「お得感」を感じるようになり、他サービスへの移行リスクが減少します。顧客満足度を高め、継続利用への動機付けが可能です。

対策5解約理由を分析し対策する

解約した顧客の理由を分析すると、サービス改善のヒントが得られます。解約時のアンケートを通じたデータ分析により離脱理由を把握し、対策を講じることで、次回以降の解約率低下が見込まれます。結果的に継続率を高めることが可能です。

対策6クロスセルやアップセルを活用する

クロスセル・アップセルの活用は、顧客満足度を高めつつ継続利用を促進する手法です。クロスセルは、関連商品を提案し購入範囲を広げ、アップセルはより高機能な上位プランを勧めて顧客単価を向上させる効果が期待できます。

これらを実施するには、顧客の購入履歴や利用状況を分析し、ニーズに合った商品やプランを提案することが大切です。例えば、一定の利用頻度がある顧客には上位プランを提案する、あるいは特定の商品購入後に相性の良い商品を勧めるといった方法が効果的です。

顧客重視のメリットを具体的に示し、適切な提案を行うことで満足度を高め、長期的な関係構築を目指しましょう。

継続率を高めて事業を安定させよう

継続率を高めて事業を安定させよう

継続率は、企業の成長や安定に欠かせない指標です。継続率が高いほど、顧客は自らサービスや商品を利用し、企業に利益をもたらします。継続率を高めて、事業を安定させましょう。
なお、株式会社スコープが提供する「ウォレッチョ」は、継続率の向上に効果的なキャッシュバックキャンペーンが得意です。消費者は下記5種類の中から、自分の好みに合った方法でお金を受け取れます。

ウォレッチョの受け取り方法は5種類

株式会社スコープの調査によると、消費者がキャッシュバックキャンペーンで最も受け取りたい方法は「現金に換えられる電子マネー」と「銀行口座振込」が多い結果となりました。

消費者は、使い道の自由度が高い現金での受け取りを好む傾向があるため、「現金として受け取れるウォレッチョ」がおすすめです。

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執筆者:草刈直弘
この記事を書いた人

草刈直弘

株式会社スコープ ウォレッチョ事業責任者。スコープ入社後、大手流通・外資系日用品メーカーなどの販促支援に従事。大手アパレル×衣料用洗剤ブランドタイアップ、家電ブランド店頭販売員教育プログラムのデジタル化などの新規案件を数多く担当。キャッシュバック販促のDXから着想を得て、2021年にウォレッチョ事業を立ち上げ~現職。