現金で受け取りたくなるキャッシュバック額っていくらから?

【販促担当者様向け独自調査レポート】現金で受け取りたくなるキャッシュバック額っていくらから?

目次

はじめに

「キャッシュバック」と一口で言っても、その中身は「現金」・「電子マネー」・「ポイント」・「商品券・金券」と利用される金種は様々です。QR決済をはじめキャッシュレス決済が普及してきている点を鑑み、電子マネーやポイントでの付与が良いのか?もしくは現金や商品券が好まれるのか?といった点も、販促施策をプランニングする上では留意したいポイントになるのではないでしょうか?

経済産業省がキャッシュレスの普及拡大を推進していることや、各キャッシュレス事業者のポイント還元策等が寄与し、2023年のキャッシュレス比率は39.3%となりました。政府の「2025年6月までに4割程度」という目標に対し、堅調に推移しています。とはいえまだまだ日本は現金文化だ!というデータも存在し、「どの金種でキャッシュバックすれば効果的な販促施策となるのか?」という疑問が浮かんできます。

当コラムでは、「現金」・「電子マネー」・「ポイント」・「商品券・金券」といった「金種」の情報に、「金額」(キャッシュバック額)という視点を掛け合わせ、「金額別のキャッシュバック希望受け取り方法」を独自調査データを元に考察していきたいと思います。

【参考】経済産業省ニュースリリース「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

調査データ①(金額別キャッシュバック希望受け取り方法・詳細版)

設問:金額別キャッシュバック希望受け取り方法(全体 N=1,173)

以下の金額ごとに、あなたが仮にキャッシュバックで受け取ることが出来るとした場合のお気持ちについて、選択肢より最も当てはまるものを1つお選びください。

調査データ①(金額別キャッシュバック希望受け取り方法・詳細版)

小額(100円〜500円未満)のキャッシュバックでは、全国共通電子マネーの選好が非常に高い傾向にあります。特に100円〜250円未満の金額帯では、49.9%が全国共通電子マネーを選んでいます。また、キャッシュバックの金額が高くなるにつれて、現金での受け取りを希望する割合が増加。10,000円以上では、48.8%が現金を選択しています。

「5,000~6,000円未満」の金額帯が、消費者が電子マネーではなく現金を受け取りたいという傾向が強まるラインとなっているようです。流通・EC系電子マネーの希望率が2,000~3,000円付近で高くなっているのは、日々の買い物で利用しやすい金額帯であるという消費者の認識を反映している可能性があるのではないでしょうか?

※電子マネー・ポイントのカテゴリの定義(調査時の設問文)

  • 全国共通電子マネー:全国どこでも利用可能な電子マネー。(例えば、PayPay、LINE Pay、au PAY、d払い、Suica、ICOCA、iD、QUICPayなど)
  • 流通・EC系共通電子マネー:全国で一般的に利用できる電子マネー。(WAON、nanaco、楽天Edy、Amazonギフトカードなどが代表的)
  • 店舗限定電子マネー:特定の店舗や企業のみで利用可能な電子マネー。(例えば、スターバックスカードやミスタードーナツカードなど)
  • 全国共通ポイント:コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど全国のさまざまな店舗で利用できる共通ポイント。(Pontaポイント、Tポイント、航空会社のマイレージ、楽天ポイントなどが代表的)
  • 店舗限定ポイント:特定の店舗や企業のみで利用可能なポイント

調査データ②(金額別キャッシュバック希望受け取り方法・簡易版)

調査データ①では詳細な区分でのデータを取得していますが、現金or電子マネーというシンプルな選択肢で端的にデータを取得するとどうなるでしょうか?以下がその結果です。

設問:金額別キャッシュバック希望受け取り方法(全体 N=1,173)

以下の金額ごとに、あなたが仮にキャッシュバックで受け取ることが出来るとした場合のお気持ちについて、選択肢より最も当てはまるものを1つお選びください。

調査データ①(金額別キャッシュバック希望受け取り方法・詳細版)

小額のキャッシュバックでは、「電子マネーで受け取りたい」と答えた人が多数を占めている。しかし、1,000円を超えると、その割合は減少し始め、「電子マネー・現金どちらで受け取ってもよい」と答える割合が増加します。

「電子マネー・現金どちらで受け取ってもよい」の割合が増加し続けるのは2,000円未満までで、それを超えると徐々に減少傾向に。現金のみで受け取りたいと答える割合は一貫して増加し、5,000円からその割合が顕著に増加という結果でした。

2020年12月取得の独自調査データとの比較・考察

調査データ②で取得したデータと同様の調査を2020年12月に取得していました。本項では約3年の期間で消費者の意識がどのように変わってきているのかを、2つのデータの比較で考察していきたいと思います。まずは2020年12月の調査データの公開から。

設問:キャッシュバック金額別、現金or電子マネー受け取り希望状況(全体 N=1,104)

以下の金額ごとに、あなたが仮にキャッシュバックで受け取ることが出来るとした場合のお気持ちについて、選択肢より最も当てはまるものを1つお選びください。現在電子マネーをお使いになっていない方も、仮に使っているとしてお答えください。

2020年12月取得の独自調査データ

調査データ①と②、つまり2024年2月時点のデータでは、「5,000~6,000円未満」の金額帯が、消費者が電子マネーではなく現金を受け取りたいという傾向が強まるラインでした。しかし、2020年12月時点の調査データでは、この分岐点が3,000円前後の金額帯にあったことがわかり、約3年の期間で「2,000円」金額帯が上がったことがわかります。電子マネーでのキャッシュレス決済が普及したことに影響を受けていることが考えられそうです。

まとめ

  1. 日々の買い物利用額程度のキャッシュバックであれば、いつも支払いで使っている(決済している)電子マネーで受取っても良い。キャッシュバックされた電子マネーは、日々の生活費の支払いに回っている可能性が高く、「買い回り」という形でいつも買い物に通う店舗での支払いに利用されていくのではないか?手法は、いつも使っている普段使いの電子マネー、特に共通系電子マネーでのキャッシュバックが効果的。

  2. 日々の買い物利用額以上のキャッシュバックは、消費者側でよりインセンティブ・特典という認識に変化し、臨時収入的な位置づけになるのではないか?一度買ったら利用期間が長く「買い回り」にはならない耐久財(家電・住まい関連)やサブスクリプション型材(通信回線など)と現金キャッシュバックとの相性は良いと考えられる。

調査概要

今回(2024年2月)の調査データ

  • 調査手法:Web調査
  • 対象者:全国在住、20歳以上男女
  • *未既婚、子有無問わず
  • *広告・放送・調査関連勤務者を除外
  • *過去3年以内に、何かしらのキャンペーンやクーポンを利用したことがある(その内容については不問)

サンプル数・割付

今回(2024年2月)の調査データ
合計:1,173サンプル
  • 調査期間:2024年2月21日–27日
  • 調査企画・実施:株式会社スコープ

過去(2020年12月)の調査データ

  • 調査手法:Web 調査
  • 対象者:全国在住、20歳以上男女
  • *未既婚、子有無問わず
  • *広告・放送・調査関連勤務者を除外
  • *過去3年以内に、何かしらのキャンペーンやクーポンを利用したことがある(その内容については不問)

サンプル数・割付

過去(2020年12月)の調査データ
合計:1,104サンプル
  • 調査期間:2020年12月4日–11日
  • 調査企画・実施:株式会社スコープ
執筆者:草刈直弘
この記事を書いた人

草刈直弘

株式会社スコープ ウォレッチョ事業責任者。スコープ入社後、大手流通・外資系日用品メーカーなどの販促支援に従事。大手アパレル×衣料用洗剤ブランドタイアップ、家電ブランド店頭販売員教育プログラムのデジタル化などの新規案件を数多く担当。キャッシュバック販促のDXから着想を得て、2021年にウォレッチョ事業を立ち上げ~現職。