- 既存顧客の維持(リピート)
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顧客ロイヤリティが高まると、リピート率や顧客単価の向上に加え、口コミによる新規顧客の獲得、さらには価格競争に巻き込まれにくくなるといったメリットが期待できます。
では、顧客ロイヤリティを高めるには具体的に何をすれば良いのでしょうか。本記事では、実践的な施策から測定方法、取り組みを進める際のステップ、注意点まで解説します。

顧客ロイヤリティを高めるには、複数の施策を組み合わせて取り組むことが重要です。例えば、特典を用意しても顧客体験の質がともなっていなければ、割引や還元だけを目的とした利用にとどまり、ブランドへの信頼や愛着は育ちにくくなります。ここでは、実践しやすい4つの施策を紹介します。
顧客ロイヤリティを高める施策は、顧客体験の質という土台があってはじめて効果を発揮します。顧客体験の質とは、Webサイトの使いやすさや問い合わせへの対応、購入後のフォローなど、顧客が企業と接するあらゆる場面での対応水準を指します。
例えば、Webサイトの操作性に優れていても、問い合わせ窓口の対応が遅かったり、購入後の連絡が滞っていたりすると、顧客が受ける印象は下がってしまう結果に。顧客との複数の接点を洗い出し、行き届いていない部分があれば改善していくことが、顧客体験を高める進め方になります。
なかでも見落とされがちなのが、キャンセルや解約などにともなう返金時の顧客体験です。返金までに時間がかかったり、「口座情報をメールで伝える」「書類を郵送する」といった手間が発生したりすると、サービスそのものに満足していた顧客にも不満を残してしまう恐れがあります。
一方で、こうした場面でもスムーズかつ丁寧に対応できれば、「最後まできちんと対応してくれる企業」という安心感や信頼につながります。返金対応を単なる事務手続きではなく、顧客との重要な接点の一つとしてとらえることが大切です。
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企業側で顧客の口座情報を取得する必要がなく、返金手続きをスムーズに進められるため、返金時の顧客負担を抑え、最後まで快適な顧客体験を提供することにつながります。
キャンセルや解約といった企業にとってネガティブになりやすい場面だからこそ、ストレスの少ない対応を徹底することで、企業への信頼を損なわず、将来的な再利用や顧客ロイヤリティの維持・向上につなげられるでしょう。
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顧客体験の質を高めたうえで、次に意識したいのが情報の届け方です。すべての顧客に同じ情報を一斉に届けても、自分に関係ない内容は読み飛ばされてしまう傾向にあります。そこで有効なのが、顧客ごとに関心のありそうな情報だけを選んで届けるアプローチです。
例えば、過去に購入した商品に関連する商品を紹介したり、誕生日や記念日に合わせて特典を届けたりするといった形が挙げられます。こうした対応を重ねることで、顧客は自分に向けた対応だと感じやすくなり、企業への信頼にもつながります。
顧客体験の質を高め、顧客一人ひとりに合わせた情報を届けられるようになったら、次に効果的なのが、継続利用を促す仕組みづくりです。購入金額や利用回数に応じてポイントが貯まる制度や、会員ランクが上がる制度がその代表例といえます。制度設計の具体的な手法やメリットについては、次の記事もあわせてご覧ください。
ただし、ポイントや特典だけを目的にした利用が続くと、企業やブランドへの愛着は生まれにくくなるので注意が必要です。顧客体験を高める工夫や、一人ひとりに合わせた情報発信とあわせて行うことで、利用の継続だけでなく、企業への信頼や愛着も同時に育てやすくなります。リピーターを育てるための考え方は、次の記事でも詳しく紹介しています。
ここまでの施策を実施したら、最後に欠かせないのが、顧客の反応を確かめながら改善を続ける取り組みです。アンケートやレビュー、問い合わせ内容などから顧客の声を集め、商品やサービスの改善に反映させましょう。
集めた声をもとに商品やサービスをブラッシュアップし、その変更を顧客に伝えれら、顧客はより魅力的になった商品やサービスを実感できるうえ、自分の意見が反映されたことへの満足感も得られます。
集めた声はその場限りにせず定期的に見直し、体験の質・情報の届け方・利用継続の仕組みといった取り組み全体に反映し続けることが重要です。そうすることで、顧客ロイヤリティを着実に高めていけるのです。

顧客ロイヤリティを高める施策に取り組む前に、まずは自社の現状を数値で把握しておくことが欠かせません。ここでは、代表的な3つの指標を紹介します。
NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは、「この商品やサービスを親しい人にすすめたいと思うか」を0〜10の11段階で評価してもらい、その回答をもとに算出する指標です。9〜10点をつけた人を「推奨者」、7〜8点を「中立者」、0〜6点を「批判者」に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がスコアとなります。
顧客が実際に人へ紹介したいと思うかどうかを直接尋ねるため、単なる満足度以上に、企業やブランドへの愛着に近い部分を測れる指標として広く活用されています。
LTV(ライフタイムバリュー)は、日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれ、一人の顧客が取引を始めてから終えるまでの間に、企業にもたらす利益の総額を示す指標です。購入金額や購入頻度、取引が続く期間などをもとに算出します。
顧客ロイヤリティが高まり、リピート購入や利用の継続が増えるほど、LTVも上昇していく傾向にあります。施策の効果を金額ベースで確認したい場合に役立つ指標です。
CSATは「シーサット」または「カスタマーサティスファクション」と読み、Customer Satisfactionの略です。日本語では「顧客満足度スコア」と呼ばれ、商品やサービス、対応内容に対して顧客がどの程度満足しているかを、5段階評価などで直接尋ねて算出します。「満足」「やや満足」を選んだ人の割合を算出するのが一般的な方法です。
NPSが「人にすすめたいか」という将来の行動意向を尋ねるのに対し、CSATは「今の対応に満足しているか」という現時点の評価を尋ねる点で異なります。CSATの数値が高くても、必ずしも継続利用や口コミにつながるとは限らないため、NPSやLTVとあわせて確認することが大切です。
継続的な利用状況を測る指標については、次の記事もあわせてご覧ください。

施策を思いつくままに実行するだけでは、効果を正しく見極めることが難しくなります。現状を把握し、目標を定めたうえで取り組み、成果を確認しながら進めましょう。
最初に行うべきは、自社の顧客ロイヤリティが今どのくらいの水準にあるかを数値で確認することです。NPSやLTV、CSATといった指標を使い、現状のスコアを算出します。
現状を数値化しないまま施策を始めると、後から効果の有無を判断する基準がなくなってしまうため注意が必要です。まずは基準となる数値を用意することが、次のステップに進むための前提となります。
現状の数値を把握したら、「いつまでに、どの指標を、どの程度まで改善するか」という目標を具体的に決めましょう。例えば「半年後にNPSを現状より10ポイント改善する」といった内容です。
目標が曖昧なままでは、そもそも社内の合意を得ること自体が難しくなるほか、施策の優先順位が途中でぶれる原因にもなります。数値と期限を明確にすることで、関係者間で同じゴールを共有しやすくなるのもメリットです。
目標が決まったら、次の4つの施策を実行に移します。
すべてを同時に始めるのではなく、自社の課題に合わせて優先度をつけて着手すると、効果を確認しやすくなります。例えば、問い合わせ対応への不満が多いのであれば顧客体験の改善から、リピート率の低さが課題であればポイント制度の見直しから着手するといった流れが考えられます。
施策を実行したら、一定期間後に再度NPSやLTV、CSATを測定し、目標との差を確認します。数値が改善していれば施策を継続し、変化が乏しければ内容を見直しましょう。
顧客ロイヤリティは一度の施策で完成するものではなく、数値の確認と改善を繰り返すことで少しずつ高まっていくものです。ステップ1に戻って現状を再確認し、次の目標を設定するというサイクルを継続することが、長期的な成果につながります。
ロイヤリティプログラムを軸に成果を出した事例は、次の記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

顧客ロイヤリティを高める取り組みを進める際、意識しておきたい注意点が2つあります。
ポイント利用や購入頻度といった行動の変化は数値で確認しやすいため、施策の効果を判断する材料として使われやすい指標です。しかし、行動の変化だけを見ていると、実際には特典目当てで利用しているだけで、企業やブランドへの信頼や愛着は生まれていない、という状態を見落とすケースがあります。
購入頻度などの行動データに加えて、NPSのような「人にすすめたいと思うか」を尋ねる指標もあわせて確認しましょう。行動の変化が本当の信頼や愛着につながっているかを判断しやすくなります。
顧客ロイヤリティは、施策を実行してすぐに指標の数値へ表れるものではありません。信頼や愛着は、顧客との接点を積み重ねるなかで少しずつ形成されていくため、数ヵ月程度の期間で目立った変化が見られないケースも珍しくないものです。
短期間で変化が見られないからといって施策を中止してしまうと、本来であれば時間をかけて効果が表れていたはずの取り組みを止めてしまうことになりかねません。半年から1年ほどの期間を見据えて数値の推移を追いながら、必要に応じて内容を調整していく姿勢が重要です。

顧客ロイヤリティとは、顧客が企業やブランドに対して抱く信頼や愛着のことです。リピート率や顧客単価の向上、口コミによる新規顧客の獲得など、多くのメリットをもたらします。
顧客ロイヤリティを高めるポイントは、下記の3つです。
なかでも、顧客体験を左右する場面の一つが返金対応です。口座情報のやり取りや書類対応が発生するようなやり方では、顧客側の手間だけでなく、社内での確認や処理にも工数がかかってしまいます。顧客体験の価値を高めつつ、こうした運用負荷をいかに抑えるかという視点も欠かせません。
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草刈直弘
株式会社スコープ ウォレッチョ事業責任者。スコープ入社後、大手流通・外資系日用品メーカーなどの販促支援に従事。大手アパレル×衣料用洗剤ブランドタイアップ、家電ブランド店頭販売員教育プログラムのデジタル化などの新規案件を数多く担当。キャッシュバック販促のDXから着想を得て、2021年にウォレッチョ事業を立ち上げ~現職。