リワードプログラムとは?5つの導入メリットと導入事例3選

顧客が「一度きりの購入」で終わってしまうのは、多くの企業に共通する悩みです。その解決策として注目されているのがリワードプログラムです。
購入や来店といった行動に応じて特典や体験を提供し、顧客との関係を深めながらビジネスを継続的に成長させます。

本記事では、導入メリットや導入事例、導入ステップまでを一挙に解説。自社でもすぐに取り入れられるヒントがきっと見つかるはずです。

リワードプログラムとは?

リワードプログラムは、顧客のロイヤルティ(ブランドへの愛着や信頼)を高めるために、商品購入やサービス利用などの特定の行動に対して特典を提供するマーケティング施策です。

値引きのように一時的な購買を狙うものではなく、商品購入やサービス利用を通じて「この店舗を利用するとお得」「会員でいるとメリットがある」と感じてもらい、継続的に自社の商品やサービスを選んでもらうことを目的としています。

リワードプログラムの流れ(一例)】

  1. アプリやWebサイト、店頭で会員登録をする
  2. 買い物をする、アプリを使う、友人を紹介するなど、企業が設定した行動をとる
  3. 行動に応じてポイントやスタンプがもらえる
  4. 貯めたポイントやスタンプを、好きな商品やサービスと引き換える

最近では、購入時に付与されたポイントをその場で使える仕組みも広がっています。例えばYahoo!ショッピングでは、獲得したPayPayポイントを購入予定の商品代金に充当できるため、その場で割引効果を実感できます。
こうした即時利用は「得をした」という満足感を生み、次の購買意欲を後押しする効果もあるのが特徴です。

購買意欲を高めるためにも重要な「顧客心理」や「購買心理」への理解を深めたい方は、下記の記事もご覧ください。

顧客心理の基本とビジネスへの活用方法|成功するマーケティング戦略とは?

購買心理とは?基礎知識から売上を伸ばすアプローチ方法まで完全ガイド

企業がリワードプログラムを導入する5つのメリット

リワードプログラムを活用すると、特典が継続利用の動機になるため、顧客との関係強化や売上拡大が期待できます。
ここでは、企業がリワードプログラムの導入によって得られる5つの効果を紹介します。

メリット1.顧客エンゲージメントを高める

リワードプログラムは、顧客エンゲージメント(企業と顧客の関係の深さ)を強める効果的な施策です。その理由は、購入時だけでなくポイント残高を確認したり、交換できる特典をチェックしたりする過程で、顧客が自社ブランドに触れる機会が自然に増えるからです。

さらに、特典獲得までのポイントが残りわずかになると「もう少しで手に入る」という期待感が高まり、買い物やサービス利用の動機づけになります。
なお、顧客との継続的な関係づくりには「顧客維持率(リテンションレート)」の把握が欠かせません。詳しくは下記の記事をご覧ください。

顧客維持率(リテンションレート)とは?計算方法や向上のコツなど総まとめ

メリット2.リピート率を高める

リワードプログラムは、リピート率の向上にも効果的な施策です。貯めたポイントを商品やサービスと交換できる仕組みや、割引・限定体験といった特典は、次回も同じ店舗やサービスを選ぶ理由になります。

また、一度登録した顧客は「せっかく貯めたポイントやクーポンを失いたくない」という心理(サンクコスト効果)が働き、他社への乗り換えを避ける傾向があります。
さらに、期間限定のポイント倍増キャンペーンや、ランクアップまでの残額表示といった仕組みは、購買意欲を直接刺激する施策として有効です。

一度きりの購入で終わっていた顧客も、こうした工夫をきっかけにリピーターへと成長し、安定した収益基盤の構築につながります。
リピート率を高めたい方は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。

リピート率を上げる5つの方法!基本知識から注意点まで総まとめ

リピーターになる心理とは?継続利用を促す仕組みと企業の成功事例

メリット3.顧客生涯価値(LTV)を最大化する

顧客生涯価値(LTV)とは、一人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益の合計を指し、企業が長期的に成長するために欠かせない指標です。リワードプログラムを導入すると、顧客のリピート率や購買頻度が高まり、一人あたりの購入額が増えていきます。

さらに、ブランドへの信頼が強い顧客は競合の値引きに左右されにくく、安定した収益をもたらす長期的な存在となります。

メリット4.新規顧客獲得コストを削減する

新規顧客の獲得には、既存顧客を維持するよりも約5倍のコストがかかるといわれています。そのような中、リワードプログラムは既存顧客の離脱を防ぎ、結果的に長期的な取引を築ける点が特徴です。既存顧客に継続して利用してもらえるため、新規獲得に比べてコストを抑えやすい施策といえます。

さらに、満足度の高い顧客は友人紹介制度を通じて信頼性の高い口コミを広げます。その結果、企業は広告に頼らずに質の高い新規顧客を獲得でき、新規獲得コストを大幅に削減できるのです。
新規の顧客を獲得する方法については、下記の記事でも紹介しています。

新規会員獲得の成功事例と5つの効果的な戦略

メリット5.顧客データの収集・分析から戦略を立てられる

リワードプログラムの大きな強みの一つは、データに基づいて戦略を立てられる点です。
会員登録によって年齢・性別・居住地といった基本情報を把握できるだけでなく、誰が・いつ・何を・いくらで購入したかという詳細な購買データも蓄積されます。

これらのデータ分析によって、

  • 優良顧客や離反予備群の特定
  • セグメントごとの最適な情報発信
  • リピート購入が多い商品の特定による品揃えの改善

といった施策を打つことができます。

勘や経験に頼らず、根拠のあるマーケティング戦略を実行できるのが大きなメリットです。

リワードプログラムの導入事例3選

リワードプログラムの具体的な事例を参考にすると、プログラム設計のアイデアや自社で取り入れる際のヒントを得られます。
ここでは、世界的に有名な企業が展開する3つの事例を紹介します。

1.IKEA Family|買い物以外の行動でもポイントが貯まる

IKEAが提供する「IKEA Family」は、店舗やオンラインでの買い物はもちろん、マイページへのログインやイベント参加、欲しいものリストの作成など、日常の小さな行動でもポイントが貯まるリワードプログラムです。

ポイントが貯まると、WebサイトやIKEAアプリのIKEA Familyマイページに交換可能なリワードが自動的に表示され、希望する特典を選んで利用できます。
貯めたポイントは1ポイント=1円として100円単位からリワードに交換でき、家具や雑貨の購入に加え、フードの購入にも使える仕組みです。

2.AMERICAN EXPRESS|貯めたポイントを多彩な特典に交換できる

American Expressの「メンバーシップ・リワード」は、日常の買い物や旅行など、カード利用100円ごとに1ポイントが貯まるリワードプログラムです。

期間限定のキャンペーンや特典も用意されており、効率的にポイントを増やせる仕組みが整っています。貯めたポイントは、提携航空会社14社のマイルへの移行をはじめ、百貨店やPayPayのギフトカード、500以上のアイテムなど、多彩な特典に交換可能です。

さらに、有料オプションの「メンバーシップ・リワード・プラス」に加入すれば、ポイントの有効期限が無期限となり、交換レートやボーナスポイントの条件も優遇されます。

3.Hotels.com|宿泊スタンプ数で会員ランクと特典が変わる

Hotels.comリワードは、宿泊ごとにスタンプが貯まり、10個で1泊分の「ボーナスステイ(過去の宿泊料金の平均額分)」を獲得できるプログラムです。
会員限定料金や特典が用意されており、旅行のたびにお得度が増していきます。

【スタンプ数に応じた会員ランク】

  • シルバー(10〜29泊)
    世界1万軒以上の宿泊施設で15%以上割引が受けられるほか、無料朝食やスパ優待など
    の限定特典、価格保証サービス、優先カスタマーサポートも利用できる
  • ゴールド(30泊以上)
    対象施設で20%以上割引に加え、空室状況に応じて無料で部屋をアップグレードできる

リワードプログラム導入の5ステップ

リワードプログラムはメリットが大きい一方で、準備不足のまま導入すると「思ったような効果が出ない」という失敗につながりかねません。だからこそ、導入の流れをしっかり押さえておきましょう。

ここでは、現状把握から成果改善まで、実務に役立つ5つのステップを紹介します。

ステップ1.現状を把握する

リワードプログラムを導入する前に、まずは自社の現状を客観的に分析しましょう。
課題があいまいなままでは、せっかくの仕組みも成果につながりにくくなります。
確認したい代表的な課題は、次のとおりです。

  • 新規顧客の獲得コストが増えている
  • 顧客データが不足している

こうした現状を整理したうえで、リワードプログラムで達成したい最終目標(KGI)を設定します。例えば、「再購入率を前年比10%改善する」「新規獲得コストを20%削減する」といった数値を掲げると効果測定がしやすくなります。

あわせて、ターゲットとする顧客層を明確にすることも欠かせません。購入頻度が高い層や、ブランドに強い関心を持つ層を想定しておくと、後の施策設計がスムーズになります。

ステップ2.リワードプログラムを設計する

現状を把握し、目標を定めたらそれに沿ってプログラムの設計を進めます。具体的には、形式や特典、ルールを決めて、自社に合った仕組みを形にしていきます。
代表的なプログラム形式は、次のとおりです。

  • スタンプ制:来店や利用のたびにスタンプを押す
  • ランク制:利用状況に応じて会員ランクを設定する
  • 組み合わせ型:複数の形式を組み合わせる

特典の内容もプログラムの魅力を左右します。割引に加えて、限定商品や会員限定イベントへの招待など、自社らしい工夫を加えると顧客の関心が高まりやすくなります。

さらに顧客満足度を高めたい場合は、現金プレゼントや電子マネー付与といった特典も効果的です。現金や電子マネー特典をスムーズに届けたいときは、BtoC送金サービス「ウォレッチョ」の活用がおすすめです。

企業はURLを送るだけで特典を届けられ、顧客はPayPay・Amazonギフト・銀行口座振込など好みの方法で受け取れます。これにより、企業は運用負担を減らしながら顧客体験を向上できます。
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ステップ3.システムを導入する

設計したプログラムを実際に運用するには、対応できるシステムを整える必要があります。
どの機能が必須なのかを事前に洗い出し、自社に合った導入方法を検討しましょう。
代表的な機能としては、次のようなものが挙げられます。

  • 顧客情報の管理
  • クーポンや特典の発行
  • メールやアプリ通知の配信
  • 利用状況や効果を測定するデータ分析

これらを踏まえて、自社開発するのか、あるいはSaaS型サービスを活用するのかを選択します。開発コストや運用体制に加え、既存システムとスムーズに連携できるかどうかも重要な判断基準です。

ステップ4.運用体制を整える

プログラムを設計してシステムを導入した後は、人員やオペレーションを含めた運用体制を整えましょう。責任者を定め、問い合わせ窓口や現場スタッフの対応手順を準備しておくと、運用はスムーズに進みます。

さらに、Web・SNS・メール・店頭など複数のチャネルでプログラムを告知する仕組みも欠かせません。利用者が参加しやすい環境を整えることが、結果的に認知度や参加率の向上につながります。

ステップ5.運用成果を改善する

リワードプログラムは導入して完了ではなく、成果を測定しながら改善を続ける仕組みです。KGI(最終目標)を達成するためには、KPI(中間目標)を定期的に確認しましょう。
代表的な指標は次のとおりです。

  • 利用率
  • 紹介による新規登録数
  • ランク別の購入単価

分析した結果をもとに、特典やキャンペーンを見直すとプログラムの精度が高まります。小さな改善を積み重ね、PDCAサイクルを回し続けることが、長期的な成果につながるポイントです。

リワードプログラムで顧客との絆を深めビジネスを成長させよう

リワードプログラムは、顧客との長期的な信頼関係を築き、ロイヤルティを高めるための戦略的な施策です。顧客エンゲージメントやLTV(顧客生涯価値)の向上、データに基づく戦略立案など、企業にも多くのメリットをもたらします。

競争が激しい市場で顧客に選ばれ続けるためには、自社に合ったプログラムを設計し、魅力的な特典の用意が欠かせません。
特典にはポイントや割引だけでなく、現金や電子マネーを付与するデジタルインセンティブも効果的です。

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