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選考旅費とは、求職者が面接や採用試験に参加するための移動費や宿泊費のことです。近年は対面面接への回帰や物価高が進み、交通費を支給する企業は増加傾向に。人材獲得競争の激化にともない、遠方の優秀な人材を獲得するためにも、交通費の支給や補助は重要な施策となっています。
本記事では、選考旅費の基礎知識や支給のメリット、具体的な基準の決め方を解説します。さらに、精算業務の負担を減らす効率的な渡し方も紹介します。
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選考旅費とは、応募者(求職者)が選考試験や面接、会社説明会に参加する際にかかる交通費や宿泊費のことです。
採用活動において企業がその費用を負担するケースが増えており、求人票の待遇欄に「選考旅費支給」と記載するなど、応募者へ魅力をアピールする言葉としてよく使われます。
一方で、混同されやすい言葉に「採用交通費」があります。採用交通費は、応募者に支給する交通費だけを指す言葉ではありません。採用担当者や面接官といった自社社員が、別拠点での面接や合同企業説明会へ向かう際の移動費や出張費なども含まれます。
| 項目 | 選考旅費 | 採用交通費 |
|---|---|---|
| 対象者 | 応募者のみ | 応募者+自社社員(採用担当者・面接官など) |
| 主な費用 | 面接や説明会参加のための交通費・宿泊費 | 選考旅費+社員の別拠点への移動費・出張費など |
| 言葉の範囲 | 応募者への支給に限定された表現 | 採用活動に関わる交通費全般を広く指す表現 |

選考旅費を支給すべきか判断するにあたり、まずは支給の義務や実際の支給割合を把握しておきましょう。ここでは、企業の支給実態や就活生の金銭的負担について解説します。
採用選考における旅費の支給は、法律等で義務づけられているものではありません。そのため、選考旅費を支給するかどうか、またどの範囲(一部または全額)を負担するかは、企業が任意で決められます。
企業には選考旅費の支給義務はないものの、就活生側の金銭的負担は非常に大きいのが実情です。2026年卒の学生が6月までに使用した就職活動費用は、平均で8万2,277円に上ります。前年比で微減となったものの、対面面接の増加や物価高の影響もあり、遠方の学生にとって交通費や宿泊費は大きな負担です。
こうした実態を受け、対面での選考が進むにつれて選考旅費を支給・補助する企業の割合は高くなる傾向にあります。
| 選考段階 | 支給・補助を行う企業の割合 | 内訳 |
|---|---|---|
| 最終面接 | 66.6% | 全員支給:43.6% 条件付き支給:23.0% |
| 二次〜三次面接 | 40.5% | 全員支給:23.2% 条件付き支給:17.3% |
| 一次面接 | 29.6% | 全員支給:17.9% 条件付き支給:11.7% |
※一次面接に関しては、27.5%の企業が「Web形式のため交通費がかからない」と回答
選考の序盤はWeb面接を取り入れて応募のハードルを下げ、お互いを深く見極める最終局面で選考旅費を支給して対面で会う運用が、現在の採用における主流となっています。
※参考:株式会社インディードリクルートパートナーズ【2026年卒 就職活動TOPIC】 就職活動費用は平均8万2,277円。前年に比べ約2,000円減少
次の記事では、採用活動において交通費を支給するメリットなどを詳しくまとめています。あわせてご覧ください。

選考旅費の支給は、単なる移動費の補填にとどまりません。応募時、選考中、内定時という採用の各段階において、選考を円滑に進める大きなメリットがあります。
就職活動や転職活動では、若年層を中心に金銭的な負担が課題です。スーツや靴の購入費に加え、複数企業の面接へ参加する移動費は大きな負担となっています。
そのため、求人票に選考旅費の支給を明記していない場合、費用面を懸念した求職者が応募を見送る恐れがあるのです。
あらかじめ選考旅費の支給や補助があることを伝えることで、費用面を気にして応募をためらっていた人材にも興味を持ってもらうきっかけになり、応募者の確保につながります。
Web面接の普及により、全国どこからでも応募しやすい環境が整いました。しかし、選考が進み対面面接へ移行すると長距離移動の費用が発生します。新幹線や飛行機、宿泊などの費用は、応募者にとって大きな負担です。
対面での選考を案内する際、選考旅費の支給(あるいは上限を設けた補助)をあらかじめ提示することは、移動による負担を和らげることにつながります。遠方から応募する優秀な人材や、地方からの就職・転職を希望する求職者が、費用の問題を理由に選考を辞退するケースを防ぐための効果的な方法といえます。
選考の後半(特に最終面接)における選考旅費の支給は、企業に対する好感度を高め、入社意欲を後押しするきっかけとなります。
最終的な決断を控えている応募者に対し、最終面接時に選考旅費を支給することによって、誠実に対応しているという企業の姿勢を伝える機会となり、経済的理由による辞退を防ぐ効果もあります。
採用時に交通費を支給するメリットについてより詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

選考旅費を無制限に支給すると、企業の費用負担が想定以上に膨らむ恐れがあります。また、支給対象や金額に関する認識の違いは、応募者とのトラブルの原因となります。そのため、事前に社内で明確なルールを定め、応募者へわかりやすく伝えましょう。
企業が選考旅費を導入するにあたり、検討すべき支給範囲の条件には次の4つが挙げられます。
すべての選考段階で一律に旅費を支給するのではなく、特定の段階に限定して支給します。例えば、初期段階はWeb面接として双方の負担を抑え、その上で、対面で行う二次面接や最終面接にのみ選考旅費を支給する方法です。
実際、対面の最終面接を実施する企業の約3分の2(66.6%)が何らかの旅費を支給・補助しています。
応募者の居住地や移動距離に応じて、支給の有無を決定します。近隣からの応募者には一律の少額支給とし、新幹線や飛行機などを利用する遠方の応募者には実費を支給する、といったルールが考えられます。
採用の対象(新卒・中途など)によって支給ルールを柔軟に設定します。例えば、まだ定期的な収入のない学生を対象とする新卒採用では選考旅費を支給し、すでに社会人として収入を得ている求職者を対象とする中途採用では原則として不支給とするなど、採用の状況やターゲットに応じて基準を設けます。
支給の対象となる交通手段や経路をあらかじめ指定しておきます。基本的には電車やバスなどの公共交通機関の利用を前提とし、新幹線や飛行機、宿泊の利用が必要になる場合は事前に会社の許可を求める運用が挙げられます。
また、「最も合理的かつ経済的な通常の経路を支給対象」と明文化しておくと、不要な迂回経路や移動手段の利用によるトラブルを未然に防ぐことが可能です。
選考旅費の対象範囲を定めたら、次に具体的な支給パターンを決定します。主に次の3つが挙げられます。
| 支給パターン | 概要 |
|---|---|
| 実費支給 | 実際にかかった往復の費用を精算する |
| 上限付き支給 | 実費を精算するが、一定の限度額を設ける |
| 一律(定額)支給 | 実際の移動費用に関わらず、決まった額を支払う |
実費支給の場合、応募者が実際に移動に支払った往復の費用を、領収書などに基づいてそのまま支給します。応募者にとっては自己負担がなく、不公平感が生じにくいという点がメリットです。
一方で、遠方からの応募者が増えた場合に企業の費用負担が大きくなりやすく、事前に採用コストの正確な予測を立てにくいという側面もあります。
上限付き支給の場合は「実費を精算するが、1回の面接につき最大2万円まで」といったように、支給額に一定の限度を設けます。限度額を超える分は応募者の自己負担となりますが、企業にとっては1人あたりの最大負担額が明確になるため、予算の管理や費用の見通しが立てやすくなります。
一律(定額)支給をする場合、居住地や実際の移動費用に関わらず、面接に参加した応募者全員に「一律2,000円」のように、決まった額を支払います。個別の交通経路の確認や運賃の計算が不要になるため、支払いに関わる手続きや経理処理の手間を大幅に省くことができます。
ただし、遠方から多額の費用をかけて参加する応募者にとっては、実際の負担額に対して支給額が少なく不満につながる恐れもあるため、注意が必要です。

選考旅費の算出基準が決まったら、応募者への渡し方を検討します。渡し方には主に4つの方法があり、それぞれ事務負担や応募者側の受け取りやすさが異なります。
| 支給方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 現金手渡し | 応募者がその場で受け取れる | 事前準備・当日対応の手間が大きい |
| 銀行口座振込 | 領収書を確認してから支払える | 口座情報を預かる必要があり、着金までに時間がかかる |
| デジタルギフト (Amazonギフト券など) | 現金・口座情報の管理が不要で、少額なら手軽に送付できる | 現金ではないため用途が限定され、数万円単位の高額な実費精算には不向き |
| BtoC送金サービス(デジタル送金) | 現金・口座情報の管理が不要で、送付もスピーディ | 手数料や導入コストが発生する |
面接を行った当日に、その場で直接応募者に現金を支払う方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 応募者が迅速に受け取れ、移動直後に精算が完了する | 会社側における事前準備の手間がかかり、渡し間違いといった人為的なミスが起こる恐れがある |
面接の当日にその場でお金を渡せるため、応募者にとってその日のうちに精算が完了する点が喜ばれます。応募者にとっては、長距離移動にともなう立て替えの負担がすぐに解消されるため、安心感につながります。
一方で、会社側の事務負担は大きいものです。事前に必要な硬貨や紙幣を用意し、個別の封筒に分けて入れておく準備作業には多くの時間と手間がかかります。
また、当日は受け渡しのために面接前後の時間を調整する必要があり、その場で受領書にサインをもらわなければなりません。複数の応募者を同時に案内する際などは、渡し間違いなどの人為的な間違いが起きる懸念もあります。
さらに、領収書と実際の支払額を照合する経理処理も発生します。特に新幹線や宿泊をともなう遠方からの応募者では確認事項が増え、担当者の負担が大きくなりがちです。
面接の終了後、応募者の指定する銀行口座へ後日振り込む方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 当日の現金管理や手渡しの手間が省け、正確な金額を算出して精算できる | 口座情報の収集と管理の負担が生じ、振込手数料や入金までの時間差が発生する |
面接が終わったあとに、提出された領収書を確認し、正確な金額を算出してから振り込めるため、当日に現金管理や手渡しを行う手間が省けます。
しかし、この方法では応募者から口座番号や名義などの情報を収集しなければなりません。個人情報は厳重な管理が求められるため、情報の取得や保管、選考後の破棄にいたるまで、企業側には責任と手間が発生します。
加えて、振込のたびに振込手数料が発生し、応募者が実際に費用を受け取るまでに数日程度の時間差が生じる点もあらかじめ考慮しておく必要があります。
メールやチャットツールを使用し、各種ギフト券のコードを送付する方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 現金の準備や口座情報の取得が不要で、一定の少額補助であれば迅速かつ簡便に送付できる | 現金ではないため用途が限定され、高額な移動費用の実費精算には適さない |
電子メールなどでギフトコードを送るため、現金の準備や口座情報の収集が不要で、会社側の事務手続きが簡素化されます。初期段階の面談など、数千円程度の少額な補助を行う際に適した手段です。
ただし、ギフト券は現金ではないため、利用用途が特定のサイトなどに限定されます。新幹線や宿泊などで数万円単位の実費を立て替えている応募者の場合、デジタルギフトでの還元は不満につながり、企業イメージを下げる懸念があります。
送金用のシステムを導入し、応募者の携帯電話番号(ショートメッセージ)や電子メールアドレス宛に、専用の受け取り用案内を送信する手段です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 会社の手間を省きつつ、応募者側が好みの方法(銀行口座振込、ATM受け取りなど)で迅速に現金などを受け取れる | システムを利用するための初期費用や、送金ごとの利用手数料が企業側に発生する |
企業側は現金の封入や口座情報の取得といった煩雑な実務を行う必要がありません。応募者は届いた案内から銀行口座振込やATMでの現金受け取り、各種電子マネーなど、好みの受け取り方法を選んで迅速に受け取ることができます。
ただし、導入時には初期費用や送金ごとの利用手数料が企業側に発生するため、支給人数や手間の削減効果を考慮して検討する必要があります。
採用時に発生する交通費の詳しい支給方法は下記の記事でも紹介しているので、ぜひご覧ください。

選考旅費の支給は、優秀な人材の確保や誠実な企業姿勢を示すうえで効果的な施策ですが、現金の手渡しや銀行口座振込といった従来の方法では、人事や経理の担当者に大きな事務負担がかかります。
応募者の利便性を保ちながら企業側の作業負担や個人情報管理のリスクを抑える手段として注目されているのが、BtoC送金サービス(企業から個人への送金サービス)です。
なかでもWalletCho(ウォレッチョ)は、現金の準備や口座情報の取得を不要にし、選考旅費の精算にまつわる事務手続きを大幅に効率化します。

現金の手渡しや銀行口座振込などで選考旅費を支給する場合、精算業務に手間がかかったり、口座情報の取得・管理が必要になったりするケースがあります。
一方で、ウォレッチョを活用すれば、担当者は送金用の案内を一斉送信するだけで手続きが完了。また、応募者側もスマートフォンから銀行口座振込やコンビニATMでの現金受け取り、各種電子マネーなど、自分に合った方法で速やかに費用を受け取れるため、企業・応募者双方の負担を大きく軽減できます。

| 解決できる課題 | ウォレッチョ導入による具体的な効果 |
|---|---|
| 精算実務の手間 | 送金案内を送信するだけで完了し、作業時間を約6分の1に削減 |
| 個人情報の管理リスク | 口座情報の管理をサービス側で行うため、企業が口座情報を預かる必要がない |
| 応募者の受け取りやすさ | お財布カバー率94.6%(※)。スマートフォンから好みの受け取り方法(現金、電子マネーなど)を選べる |
※自社調べ
手続きの手間や個人情報管理のリスクが理由で選考旅費の支給にお悩みの場合は、BtoC送金サービスといったデジタル送金サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ウォレッチョは、交通費や宿泊費など、採用活動にともなう費用の支給にも利用されており、導入する企業が増えています。サービス資料では、ウォレッチョの特徴や具体的な活用方法・料金体系などをご紹介しています。選考旅費の支給業務を効率化したい方は、ぜひご覧ください。
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草刈直弘
株式会社スコープ ウォレッチョ事業責任者。スコープ入社後、大手流通・外資系日用品メーカーなどの販促支援に従事。大手アパレル×衣料用洗剤ブランドタイアップ、家電ブランド店頭販売員教育プログラムのデジタル化などの新規案件を数多く担当。キャッシュバック販促のDXから着想を得て、2021年にウォレッチョ事業を立ち上げ~現職。