- 購入・消費の促進
目次
購入率とは、売上を上げるための「KPI(重要業績評価指標)」として設定されることも多い、消費者の行動を示す重要な指標です。本記事では購入率の正しい理解と活用に向け、購入率の考え方や計算方法、低下する原因や購入率を上げる施策などを紹介します。ぜひ、最後までご覧ください。
なお、購入率を上げる施策として、「キャッシュバックキャンペーン」も効果的です。株式会社スコープでは、キャッシュバックキャンペーンやインセンティブなど、さまざまなシーンで活用いただけるBtoC送金サービス「ウォレッチョ(WalletCho)」を提供しています。
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購入率とは商品やサービスの購入者の割合を示す指標で、売上に直結する重要な数字です。ここでは、購入率の基本的な考え方や、ビジネスにおける重要性などを詳しく解説します。
購入率とは、店舗や自社サイトへの訪問者のうち、実際に商品を購入した人の割合を示す指標です。「来訪者の何%の人が購入したのか」を客観的な数字で把握できるため、店舗運営における貴重な判断材料となります。
しかも、数字は単に「買われた」「買われなかった」という結果だけを表すものではありません。訪問者の購買意欲や商品・売場の魅力、接客や販促活動の効果など、さまざまな情報が読み取れます。
購入率 | 購入率の結果からわかることの例 |
---|---|
購入率が高い | ・訪問者に対して効率よく販売できている状態 ・訪問者の購買意欲が高い(高められている) ・商品や売場が魅力的 ・接客や販促が機能している |
購入率が低い | ・訪問者数に対して販売が伸びていない状態 ・訪問者の購買意欲が低い(引き出せていない) ・商品や売場が見づらい ・購入までの動線が悪い ・価格設定や接客にミスマッチがある |
このように、購入率はシンプルでありながら、多くの要素を可視化できる重要な指標です。そのため、多くの企業が購入率を「KPI(重要業績評価指標)」に設定し、営業活動に活用しています。詳細は「購入率の分析でわかる傾向」で説明します。
なお、消費者の購買意欲を高める方法について詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
「購入率」とよく似た言葉に「購買率」「コンバージョン率(CVR)」などがあります。意味にどのような違いがあるのか、悩む方もいるかもしれません。厳密には微妙な違いがあるものの、基本的には同じ意味合いで使われているのが現状です。下記に、同義の言葉をまとめました。
購入率と同義で使われることの多い言葉
特にECサイトでは、ユーザーによる購入や会員登録などの目標行動を「コンバージョン(CV)」とみなし、「コンバージョン率(CVR)」と表すケースが一般的です。サービスの場合は「契約」になるため、「契約率」が用いられます。商談や取引をともなう場合は「成約率」もよく使われています。
購入率の重要性を理解していても、計算方法や基本的な考え方が正しく把握できていなければ、有効な活用ができません。ここでは購入率を正しく理解し、売上向上に役立てていくための基本的な考え方について詳しく解説していきます。
購入率は、訪問者のうち商品を購入した人の割合を示す指標です。計算方法は次のとおりです。
「購入率(%)」=「購入者数(人)」÷「訪問者数(人)」×100
「購入者数」ではなく、「購入件数」を使う場合もあります。下表をご覧ください。いつの、どのような情報を知りたいかにより、抽出する条件はさまざまです。
項目 | 条件 |
---|---|
期間 | 特定の期間に絞る 時系列での推移や季節性、施策効果を把握できる 例:「月間」「年間」「キャンペーン期間中」など |
対象者 | 特定の属性に絞る 属性ごとの行動パターンや効果的なアプローチがわかる 例:「既存顧客のみ」「新規顧客のみ」「30-40代のみ」など |
購入者数 | カウント対象を変更する 消費行動の詳細や顧客ロイヤリティを測定できる 例:「購入件数」「購入頻度」など |
例えば、5月の自社サイトの訪問者数は1,000人で、そのうち20人が商品を購入したとします。この場合の購入率は、次のとおりです。
「20人(購入者数)」÷「1,000人(訪問者数)」×100=2.0%(購入率)
この「購入率2.0%」という結果を見て、「低い」と感じた方もいるのではないでしょうか。しかし、購入率が高い・低いの判断は一概にはできません。扱う商材や店舗スタイル、営業時間などで違いがあるからです。次節で、購入率の目安について説明します。
購入率を計算できても、どう判断すべきかわからなければ、十分な活用はできません。ここでは一つの目安としてECサイトを例に、主な業界別の購入率の平均を紹介します。
業界・購入率の平均 | 年間 | 1-3月 | 4-6月 | 7-9月 | 10-12月 |
---|---|---|---|---|---|
健康 | 3.4% | 3.3% | 3.1% | 3.1% | 4.3% |
キッチン・家電 | 3.3% | 3.2% | 3.3% | 3.4% | 3.2% |
ペット | 2.3% | 2.4% | 2.8% | 2.0% | 2.2% |
ゲーム・娯楽 | 2.0% | 1.8% | 2.0% | 2.0% | 2.2% |
ファッション | 1.5% | 1.6% | 1.5% | 1.3% | 1.7% |
スポーツ用品 | 1.5% | 1.4% | 1.6% | 1.4% | 1.6% |
食品・飲料 | 1.2% | 1.1% | 1.2% | 1.1% | 1.4% |
ベビー・キッズ | 0.9% | 1.0% | 1.0% | 0.7% | 0.8% |
参考:Ecommerce Market Data and Ecommerce Benchmarks│2024年より算出
健康分野やキッチン・家電の購入率が高めである理由の一つは、「目的買い」です。消費者は事前に情報収集を実施しており、ある程度絞り込んだうえでサイトを訪問する傾向があります。一方で、食品・飲料などの「最寄り品」は、消費者が価格などを重視して複数サイトを比較するため、購入率が低くなりがちです。
しかし、平均はあくまでも目安でしかありません。注目したいのは、自社内の購入率の変化です。「月ごと」「キャンペーンごと」「商品ごと」などの定点観測で、購入率をとらえてください。自社商品の動きの本質が見えてきます。数字を単なる評価軸ではなく、売上を向上させるためのヒントとして活用する意識が必要です。
次節では、購入率と売上の関係について説明します。
購入率は、売上を生み出す三大要素の一つです。売上は、下記のように計算されます。
「売上(円)」=「訪問者数(人)」×「購入率(%)」×「客単価(円)」
「購入率の計算方法」で示した具体例を用いて考えます。5月の自社サイトの訪問者数が1,000人で、そのうち20人が商品を購入した場合の購入率は2.0%です。このとき、1人あたりの平均購入金額(客単価)が5,000円だとしたら、売上は100,000円になります。
売上:1,000人×2.0%×5,000円=100,000円
訪問者数と客単価が同じでも、購入率が変われば売上も上がります。
購入率 | 30÷1,000×100=3.0% |
---|---|
売上 | 1,000人×3.0%×5,000=150,000円 |
元の売上との比較 | 50,000円の売上アップ |
売上を上げるためにはどのような改善が必要か、より詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
「購入率の意味と重要性」でも説明したように、購入率は「買われた・買われなかった」の結果だけを示すものではありません。訪問者の購買意欲や商品・売場の魅力、接客や販促の質などの多面的な情報を客観的に読みとくための指標です。購入率を分析することで、自社の強みや課題を具体的に把握できます。
視点 | 購入率が高い場合 | 購入率が低い場合 |
---|---|---|
販売効率 | ・良い ・少ない訪問数でも売上を確保できている | ・悪い ・訪問数に対して売上が伸び悩んでいる |
訪問者の購買意欲 | ・高い ・購買意欲を喚起できている | ・低い ・消費者の期待を満たせていない |
商品・売場 | ・魅力的 ・購入に至る説得力がある | ・魅力を伝えきれていない ・訴求力が弱い |
販促施策 | ・機能している ・購入を後押ししている | ・機能していない ・訪問者に伝わっていない |
購入率の傾向 | 主な内容 |
---|---|
一貫して高い | ・商品とターゲットが明確 ・商品説明や購入への動線などがわかりやすく、安心して購入できる環境が整っている |
一貫して低い | ・商品とターゲットのミスマッチ ・商品情報が不足していて購入の判断ができない ・低評価レビューなど不安を感じる要素がある |
急に上がった | ・キャンペーンやイベントなどの施策の成功 ・宣伝効果の表れ |
急に下がった | ・店舗改装やサイト改修などによる動線変更ミス ・競合のキャンペーンや突発的な市場変動 |
特定の期間だけ低い | ・季節的要因などによる消費者動向の偏り ・キャンペーンやイベント直後の反動 |
訪問者数は増えているのに 購入率が上がらない | ・訪問者の期待と実態にギャップがある ・接客や案内などサービスの質が悪い ・購入までの動線が複雑で離脱されやすい |
このように、購入率の変動には、キャンペーンなどの販促施策が大きく関わっているケースが少なくありません。中でもキャッシュバックキャンペーンは販促効果が高く、訪問者の購入を強力に後押しする施策のため、人気があります。
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では、どのようにしたら購入率が上がるのでしょうか。購入率を上げるには「なぜ買うのか」を理解したうえで「どう売るか」を考えることが重要です。ここでは、購入率を上げるための具体的な施策について説明します。
購入率を上げるには、訪問者の「買いたい」という気持ちを育てることが重要です。商品やサービスにどれほどの魅力があっても、訪問者の心理状態に寄り添えなければ「期待はずれ」という印象を与えかねません。
心理段階 | 訪問者・購入者の期待 | 適切な対応 |
---|---|---|
1.認知 | 「この商品、初めて見た」 | ・商品の目的や用途を明確にする ・「自分のための商品だ」と感じさせる |
2.興味 | 「ちょっと気になる」 | ・商品の概要をわかりやすく提示する ・印象に残す |
3.行動 | 「商品を手に取ってみる」 | ・詳しい情報を提示する ・見やすく、わかりやすい記載にする |
4.比較 | 「他の商品とどう違う?」 | ・特徴など他社との違いを明確にする ・十分な情報を提供する |
5.購買 | 「これにしよう」 | ・決済までシンプルな動線で誘導する ・価格の明記など不安要素を残さない |
6.利用 | 「どうやって使うのかな」 | ・使用方法や注意事項を明記する ・窓口やサポート体制を整備する |
7.愛着 | 「買ってよかった」 | ・アフターフォローを行う ・リピーター化、ファン化につなげる |
前半の「1.認知」から「4.比較」の段階は、特に注意が必要です。ここで訪問者の心理状態に何らかの違和感やギャップが生じると、購入以前に離脱してしまうリスクが高まります。初期段階の訴求力強化には、最優先で取り組みましょう。
なお、このような購入に関する行動心理のプロセスを「購買ファネル」といい、多くの企業がマーケティングに活用しています。もっと詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
店舗やサイトの配置構成が適切であるかどうかは、社内で日常的に触れている人には気付きにくいポイントです。「慣れ」による見落としを防ぐために、新卒採用や中途入社などの新しいメンバーにチェックしてもらうことをおすすめします。
新しいメンバーは既存のスタッフよりもお客様の目線に近く、フレッシュな視点を持っていることも多いです。埋もれている課題に気付き、改善のヒントを指摘してくれるかもしれません。より具体的なフィードバックを得るために、チェックしてほしい項目を事前にリスト化しておくと、さらに効果が高まります。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
購入までの動線が途中で途切れていないか | ・どの画面、どの売場にいても「このあとどうすれば購入できるのか」が自然にわかる設計になっているか |
最短ルートになっているか・不要な分岐点はないか | ・フロアの移動や不要なページ遷移がないか ・余計な情報入力などの手間はないか |
顧客目線でわかりやすく提示されているか | ・初めてでも迷わない動線になっているか ・案内表示、文字、図、文言など直感的に理解できるか |
購入を押し付けるような印象を与えていないか | ・強すぎるセールス感で強引に見えないか ・「自分で選んだ感」があるか |
不安を感じさせていないか | ・金額や条件などが明確になっているか ・情報の相違など、不信感につながる要素はないか |
チェック項目で課題を見つけたら、かならず改善を図りましょう。
チェックと改善に関しては、「施策5.実践と検証のPDCAサイクルを回す」で詳しく説明しています。
より具体的に知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
購入率を上げる効果的な手法に、各種特典・キャンペーンの実施があります。例えば誕生日限定の特別クーポン、キャッシュバックキャンペーンなどは、購入への一歩を後押しする強力な動機付けとなります。
ただし、安易な「値引き」への依存には注意が必要です。値引きは見た目にわかりやすく、効果を感じやすい施策です。しかし、頻繁に繰り返した場合、通常価格での購入が敬遠される傾向が強まります。消費者に「あそこはすぐに安売りするお店」という認識が広まり、自社のブランドバリューが損なわれる恐れも否定できません。
この場合、商品自体の値段を下げる「値引き」とは異なった施策の「キャッシュバックキャンペーン」が効果的です。キャッシュバックは、価格を維持したまま実施できます。「安売りしている」という印象を与えにくいのが強みです。詳しい内容は下記の画像をクリックして、資料をご確認ください。
購入する直前で「時間がかかる」「支払いが面倒」と感じた場合も購買意欲が失われ、購入率は低下します。近年はスマートフォンの普及やキャッシュレス化の拡大にともない、現金以外の決済方法も好まれるようになってきました。
現金 | 物理的な紙幣、硬貨 |
---|---|
クレジットカード | 与信枠の範囲で利用し、後日銀行口座から引き落としになる |
デビットカード | 銀行口座の残高から即時引き落としになる |
コード決済 | 決済用のバーコードやQRコードを提示して支払う |
電子マネー | 事前にチャージし利用時にチャージ残高から即時引き落としになる |
その他 | 商品券、QUOカードなど |
消費行動が多様化する中で、「自分に合った支払方法が選べるかどうかで購入を決める」といった声は決して少なくはありません。訪問者が普段使い慣れている手段で支払えるという安心感は、購買の心理的ハードルを下げます。決済手段を選べる利便性と安心感の両立が、結果的に購入率の底上げにつながります。
購入率を上げるには、施策を検討するだけでは効果的とはいえません。施策は必ず実践し、狙った成果が出ているかどうかの検証が不可欠です。また、成果は必ず数値で確認しましょう。感覚や印象だけで評価すると、有効な施策を見逃したり、逆効果のまま続けたりする危険性が高まります。最悪の場合、時間とコストの浪費のみならず、経営に深刻な損失を与えていることにも気付けないかもしれません。
購入率を上げる取り組みは、自社の正確な購入率の把握から始まります。購入率の計算方法や考え方は、身につくまで何度も確認が必要です。そのうえで、購入率を分析し、改善の対策、実践、検証というPDCAサイクルを回し続けていくことが、購入率アップの基本です。
計画(PLAN) | 購入率を分析して改善の仮説を立てる |
---|---|
実践(DO) | 仮説に基づいて購入率改善策に取り組む |
評価(CHECK) | 実践した結果を測定・評価する |
改善(ACTION) | 評価の結果をもとに課題点を洗い出し、次の施策に反映させる |
本記事では、「購入率とは何か」という基本知識や計算方法、低下する原因、購入率を上げる施策などを紹介しました。購入率の向上は、売上アップに直結します。まずは購入率を正しく計算し、課題の特定を行いましょう。一つ一つを丁寧に分析し、購入率を上げる施策を実践するサイクルの構築が、自社の発展につながります。
購入率を上げるなら、購買意欲を強力に後押しするキャッシュバックや、心理的ハードルを下げる全額返金保証がおすすめです。「どのように取り組めばよいのかわからない」「自社で実施するリソースがない」とお悩みの方は、ぜひ、株式会社スコープの「ウォレッチョ」にお任せください。
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株式会社スコープ ウォレッチョ事業責任者。スコープ入社後、大手流通・外資系日用品メーカーなどの販促支援に従事。大手アパレル×衣料用洗剤ブランドタイアップ、家電ブランド店頭販売員教育プログラムのデジタル化などの新規案件を数多く担当。キャッシュバック販促のDXから着想を得て、2021年にウォレッチョ事業を立ち上げ~現職。